今回はリスクとリターンの関係について。
前回は投資についての導入でした。
今回は前回よりも少し実践的なリスクとリターンについてです。
まだ前回の記事を読んでいない方はそちらも合わせてご覧ください。
目次
投資におけるリスクとは
投資において、リスクはつきものです。
最近はYouTubeの広告などで投資や仮想通貨について見かける機会が多くなりました。
その中でも必ず言われる決まり文句がこちら。
投資は利益を保証するものではありません。
自己責任で行ってください。
実はこれこそが、今回取り上げる「リスク」という考え方なのです。
そして、投資の世界においてのリスクと日常生活におけるリスクとは意味合いが少し違います。
投資の世界においてのリスクとは、「価格の振れ幅のこと」を指します。
そしてこれは数学の言葉で、「標準偏差」といわれるもので、「平均からのずれ」を表します。
「ハイリスク・ハイリターン」とはこの価格の振れ幅が大きいことを指します。
逆に「ローリスク・ローリターン」とは、価格の振れ幅が小さいことを指すのです。
ですから、投資の世界においてリスクをとった方が大きなリターンを得やすくなるのです。
リスクには、様々な種類がありますがその一部を列挙しておきます。
- 価格変動リスク
- 為替リスク
- 金利変動リスク
投資におけるリターン
投資におけるリターンとは、「価格の振れ幅の平均」を表します。
つまり、平均的なリスクと言い換えることも可能なのです。
また、具体的には利益のことを指します。
この利益は大きく2つに分けることができます。
まずは、「値上がり益」。
こちらは、購入時の株価よりも売却時の株価が高いときに発生する利益のことになります。
デイトレードの場合は主にこれを活用しています。
そして、「配当・分配金」。
こちらは株主優待などが含まれます。
株主優待を受け取るのを目的とした優待株投資なども人気ですね。
しかし、ここでひとつ注意が必要です。
株式投資によって得た利益には、およそ20%の税金がかかります。
このことを忘れてしまう人は多いので注意してください。
リスクとリターン
投資の世界におけるリスクとリターンは、実は表裏一体だったのです。
ひとつ例を見てみましょう。
平均リターンが3%、標準偏差が4%の場合です。
運用資産は1万円です。
この場合、価格の変動範囲は9900円〜10700円までで、平均リターン3%は10300円となります。
すなわち、大体の場合(およそ68.3%の場合)はプラス7%からマイナス1%までの間に収まるということになります。(下図)

これが、リスクとリターンなのです。
リスク、すなわち価格の変動幅が大きくなるほど上振れ幅が大きくなり大きなプラスとなりうる一方で、大幅に価値が下がってしまうこともあるのです。
「ハイリスク・ハイリターン」とはこのような関係性に基づいたものだったのです。
だからこそ、「投資にリスクはつきもの」なのです。
逆を言えば、リスクがなければ投資している意味がないのです。
価格の変動がないのですから、預貯金と何ら変わりありません。
多くの場合は、投資は利益を得るために行います(一部違う場合もあるかもしれませんが…)。
そのため、このリスクをどこまで許容できるかが次なる問題点となってくるわけです。
リスク許容度
ここからは、投資のスタイルや個人の感情などによってかなり差が出てくるところとなります。
まず、リスク許容度とは、どれほどのリスクなら耐えられるかということです。
先程の例では、平均リターンが3%、標準偏差が4%の場合を例として考えました。
同じ平均リターンが3%だった場合、標準偏差のみが異なるとしましょう。
今回は4%ではなく10%です。
この場合は、概ねプラス13%からマイナス7%に価格が収まることとなります。
先程の例に比べて、元本割れの確率が高まる一方で利益が大きくなる可能性もあります。
これら2つから1つを選ぶ場合、どちらがいいのでしょうか?
答えは、「人それぞれ」ということとなります。
元本割れを起こす確率が大きくてもリターンを大きくしたい人は後者のリスクの大きいものを選んで構いません。しかし、リターンが少なくともリスクを最小限に抑えたい人にとっては前者の方が合っているのです。
どこまでリスクを許せるかというリスク許容度。
これは投資を行う人の置かれた状況に大きく左右されます。
若ければ若いほど、このリスク許容度は上がるのが一般的ですが、性格などによっても変わってきます。
投資を行う際には、どこまでのリスクを許容できるかを決めておかないと有事の際にパニックになってしまい大きな損をしてしまいます。
基本的に、元本割れを起こした際に他のことが手につかなくなるときはリスクの取りすぎです。
元本割れしても平気でいられるくらいのリスクにとどめるようにしましょう。
投資をする前に、まずはしっかりこのリスクとリターンについて考え自分の投資スタイルを決めていきましょう。
まとめ
リスクについては、実際に投資を行う前にしっかり考えるようにしてください。
ここが曖昧なまま投資を行うと、十中八九損をします。
自分のリスク許容度に合わせて堅実に資産形成を行うようにしましょう。
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