高校生の数学で習う複素数。
今回は、その複素数についてまとめていきたいと思います。
「虚数」という概念が生まれたのは、3次方程式の解の公式を求めるのに必要不可欠であったため。
「数」には、整数、少数、無理数などの「実数」と、今回取り上げる「虚数」の2種類あります。
虚数とは、2乗して負になる数のこと。
我々が想像する数というのは実数ですから、2乗したら必ず0以上となります。
虚数では、2乗して-1になる数を、「i」と定義しました。すなわち
$$i\times i=-1$$
ということです。この虚数と実数を組み合わせた$3+2i$などのような数を「複素数」といいます。
複素数を用いることで、方程式の解を求めることができたり様々な物理現象を記述することができます。これにより、最初は受け入れられなかった複素数という概念が、次第に受け入れるようになってきました。
特に、複素数は2つの数の組み合わせ(実数+虚数)なので、電流と電圧のように連動して変化する2つの状態を1つで表すことができます。そのため、物理学や工学といった分野では非常に重宝されています。
これだけだとあまり身近に感じることができませんね。
複素数のもうひとつのメリットが、我々の日常生活に非常に深く関連してきます。
複素数は、「回転」を掛け算のみで表すことができます。
実はこれ、非常に重要なのです。
移動後の点を$z’$とし、原点周りに$z$を$\theta$だけ回転させるという操作は
$$z’=(\cos\theta+i\sin\theta)z$$
と掛け算のみで表すことができます。
複素数を使わないと、加法定理を使って計算する必要があるため、複素数と比べて計算量が多くなります。
複素数を用いることにより、計算量が少なくなります。
そのため、ゲームなどでは必須となってきます。
高校生で習ったばかりの時は意味がわからなかったものの、こうして複素数が生まれた経緯などがわかると、勉強が苦ではなくなりそうですね。
複素数がないと、ひょっとしたら今の今のような世界ではなかったかもと思うと面白いですね。
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